
Screenshot

Screenshot
open_care_award_A4_2pages_print
/>OPEN CARE PROJECT AWARD 2025 (METI/経済産業省)
・表彰式開催について、PR TIMESにて情報を公開しております。
介護を「個人の課題」から「みんなの話題」へ転換する取組を表彰する
「OPEN CARE PROJECT AWARD 2025」表彰式を開催しました
| OPEN CARE PROJECT PR事務局のプレスリリース
受賞のご報告
OPEN CARE PROJECT
AWARD 2025
審査員特別賞「町賞」
希望は、車椅子から始まった
櫛田 美知子(一般社団法人 Smile Again)
★OPEN CARE PROJECT AWARD 2025 とは
経済産業省 OPEN CARE PROJECT が主催し、介護を「個人の課題」から「みんなの話題」へひらくため、介護に関する前向きなエピソードや、社会・企業・地域を巻き込む取組を表彰するアワードです。
公式ページでは、約300万人が働きながら介護をする時代に、介護をもっと話しやすくし、職場環境づくりや介護のイメージを変える実体験を讃えるものとして紹介されています。
★今回の受賞に寄せて
このたび、経済産業省 OPEN CARE PROJECT が主催する「OPEN CARE PROJECT AWARD 2025」において、審査員特別賞の町賞をいただきました。
この賞をいただいたことは、私一人の力ではありません。30年の車椅子生活を支えてくださった介護・医療・地域の皆様、そして「車椅子でも外へ出たい」「家族と旅をしたい」「社会とつながりたい」という思いを受け止めてくださった方々のおかげです。
今回の投稿では、受賞の喜びを、同じように障害や病気と向き合う方、介護を受けている方、介護をしている方へ、「一歩をあきらめなくてもよい」というメッセージとしてお届けしたいと思います。
/////////////////////////////////////////////////////////////
OPEN CARE PROJECT AWARD 2025 表彰式。受賞者の皆様とともに。
受賞作品として掲載された本文
希望は、車椅子から始まった ― 30年の車椅子生活が、世界と未来をひらいたオープンケアの物語 ―
私が車いす生活になって30年が経つ。
当時、娘たちは1歳、4歳、7歳。私は突然、重度障害を持つシングルマザーになった。
バリアフリーという言葉もまだ一般的ではなく、段差だらけの街で子どもを育て、働き、生きていくことは決して簡単ではなかった。
それでも、重度訪問介護をはじめとするケアの存在に支えられ、私は少しずつ「助けを受けること」を受け入れていった。
ケアは私を弱くするものではなく、社会と再びつながるための“扉”だった。
やがて私は外に出るようになり、観光地のモニターとして活動する機会を得た。
娘や孫と三世代で旅をする中で、車いすでも楽しめる場所、そうでない場所がはっきりと見えてきた。
私の存在そのものが、観光地にとっての「気づき」になっていると感じられた瞬間だった。
転機は、看護師としてナイジェリアを訪れたときだった。
車いすがなく、地面を這うように生活する若者たちを目の当たりにし、私は強い衝撃を受けた。
同時に、日本で車いすと共に生きてこられた自分が、どれほど多くのケアと制度に支えられてきたのかを実感した。
「日本で役目を終えた車いすが、誰かの希望にならないだろうか。」
そう思ったことが、ナイジェリアへの車いす寄贈活動の始まりだった。
車いすは、単なる道具ではない。
移動の自由は、学ぶ機会を生み、働く可能性を広げ、未来への希望へとつながっていく。
ケアを受けてきた私だからこそ、その価値を誰よりも知っている。
かつて「支えられる側」だった私は、今、希望をつなぐ側にいる。
オープンケアとは、制度を開くことではなく、人の人生が社会や世界へと開かれていくこと。
私は自らの歩みを通して、その意味を学んできた。
///////////////////////////////////////////////////////////////
★審査員コメント
海外にも取組を広げている点が素晴らしいです。また、「ケアは社会と繋がる扉」という発想の転換は非常に重要で、難病患者や障害者は弱者ではなく、社会が抱える課題に光を当てる存在だと思っています。これからも気づきの種を蒔いて行って欲しいです。
★読者の皆様へ
脊髄損傷や障害を負ったとき、人生が突然閉ざされたように感じる瞬間があります。私自身も、何度も不安になり、悔しさを抱えながら、それでも娘たちを育て、働き、社会の中で生きてきました。
助けを求めることは、次のつながりを生み、自分の可能性をもう一度見つけるための大切な一歩です。支えられた経験は、やがて誰かを支える力にも変わっていくと感じています。
★あきらめない気持ちを、次の人へ
私の受賞が、同じように障害や病気と向き合う方、介護を受けている方、介護をしているご家族にとって、少しでも「私にもまだできることがある」と思えるきっかけになれば幸いです。
車椅子は、生活を制限するものではありません。人とつながり、地域とつながり、世界とつながるための翼にもなります。
これからも私は、Smile Againの活動を通して、日本で育まれたケアの力を、必要としている人へ届けていきたいと思います。
プロフィール:櫛田美知子/一般社団法人 Smile Again 代表。看護師。30年以上の車椅子生活の経験をもとに、地域での車椅子体験学習、ユニバーサルツーリズムの推進、ナイジェリアへの車椅子寄贈活動などに取り組む。