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ダイバーシティー(多様性社会):代表櫛田のフォトエッセイが語る

佳作「国境を越えて」 櫛田美知子(東京都・65歳) | 仏壇選びの達人 (kogeisha.com)

 

佳作「国境を越えて」 櫛田美知子(東京都・65歳)

アフリカのナイジェリアで再婚したのは5年前。60歳だった私。一人で夫の元へ行き、夫の家族に祝ってもらい結婚式を挙げた。

誰も車椅子の私を「障害者」として見ていない。障害を感じているのは私の心だけだった。何だろう?この心地よさは!困れば誰もが助けてくれる。道路もボコボコ、電気もガスも不便であっても幸せを感じた。日本で私たちは暮らすことになった。やはり私には視線や無理解のために発せられる言葉に日本社会を悲しく思うことも多い。しかし、夫がいることで外出から帰宅するとほっとしてきた。そんなある日、夫が「(私の)実家に行こう!」と言い出した。私が車椅子生活になり古いしきたりの実家を後にしたのは28年前。それ以来、実家には足が向かなかった。しかし、夫の言葉で「行ってみよう」という気になった。突然予告もなく6時間後到着した実家で「よう来たね。仏さんにお参りして」と夫を案内していく母の大きく背中が丸くなった姿に涙をこらえた。英語しかわからない、初めて会う外国人、そんなのお構いなしの母。おもてなし心だけ。あの28年前とは別人のような母。後で知ったのだが「認知症がかなり進行して、一人暮らしは限界だと」。しかし、日本の仏教を説明し、お参りの仕方も教えているときの母は、重みのあるやさしさを発していた。夫も真剣な顔で祈っていた。ああ、本当にご先祖様に挨拶できた、見守ってください。母も私達も。

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