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もう一つの特徴!高尾山モデル〈’17車いす体験〉③陵南中学校

☆高尾山モデル〈地域包括ケア〉の紹介!!

 

 

  ☞やさしいまちづくり~高尾山モデル〈地域包括ケアは、様々な要素(ファクター)が輪のようにつながっていることが特徴です。
 
 その中で、〈車いす体験〉教室というものがあります。

 

 今回も、浅川地区の☞八王子市立陵南中学校での〈車いす体験〉を紹介します。

 

 


 

【陵南中学校〈’17車いす体験〉】

 

「地域がつながる」ことの重要性については、前回お伝えしたとおりです。
そして、どのように「地域がつながる」ことを実現していくのか…
それを、より具体的に【陵南中学校〈’17車いす体験〉】をとおして、紹介していきます。

 

 

4〈打合せ〉→〈事前学習〉→〈体験〉

 

 

Smile Againの〈車いす体験〉にはプロセス(過程)があります。具体的に言うと、まず〈打合せ〉があり、次に〈事前学習〉があり、そして、〈体験〉という流れがあるということです。

 

(1)打合せ(☞前ページ参照してください。)

 

 

(2)〈事前学習〉(☞前ページ参照してください。)

 

 

 

(3)〈体験〉

 

 

いよいよ、〈車いす体験〉に話を進めていきたいと思います。

 

まず、私たちSmile Againの〈車いす体験〉の特徴として、☞「生活行為」の要素を取り入れているということは、以前お伝えした通りです。

 

また、この「生活行為」を専門的に表現すると、以下のようになります。
「生活行為」とは、「個人の活動として行う、排泄、入浴、調理、買物、趣味活動等の行為」(厚生労働省老人保健健康増進等事業による定義)、あるいは、「人が生活していく上で営まれる生活全般の行為」(OT協会による定義:※生活行為の全般とは、セルフケアを維持していくための日常生活動作(ADL)の他、生活を維持する手段的日常生活動作(IADL)、仕事や趣味、余暇活動などの行為すべてを含む)をいう。

 

 

では、〈車いす体験〉に「生活行為」の要素を取り入れるとは、どういうことなのか?…
’17陵南中学校での〈車いす体験〉でのコースの一部を紹介しながら、具体的に説明していきたいと思います。

 

当日の主なタイムスケジュールは、以下のとおりです。

 

 

1.準備
2.校長先生の挨拶、スタッフ紹介(浅川地区社会福協議会、PTA、一般社団法人Smile Again)
3.講話:櫛田 美知子(一般社団法人Smile Again)
4.車いす使用上の注意とデモンストレーション
5.体験学習開始(車いす1台につき4人が1グループとなり、コースのスタート地点につく。)
6.体験終了・片付け

 

 

 

 

次に、下記の図をご覧ください。
この図は、〈車いす体験〉のコースの一部の見取り図です。

 

〈車いす体験〉コースの一部

この図を見ていただくと、矢印(→)や番号(①~⑫)などに気づいていただけると思います。
この矢印は、「進行方法」を意味します。そして、番号のある場所が、特に「生活行為」の要素を取り入れてある場所です。
この図からわかるように、体育館をスタートにします。
そして、生徒さんたち・学校の先生方も準備に参加してくれます。
下記の図は、体育館の準備の様子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、下の写真は、櫛田 美知子(一般社団法人Smile Again代表理事)の講話の様子です。

 

 

 

 

この講話の間に、同時進行で、浅川社会福祉協議会・PTAのスタッフがコースの準備を致します。

 

 

 

下記の写真は、浅川社会福祉協議会・PTAのスタッフがコースを準備している様子です。
準備は、山本幹雄さんを中心に進められていきます。
特に、コースが安全であるかどうかの安全確認は、慎重に行われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上のように、浅川社会福祉協議会・PTAのスタッフを中心に、短時間で安全なコースを形成することができる最大の理由は、事前の打ち合わせがなされており、メンバーの間でお互いに信頼関係が形成されていることだといえるでしょう。

 

 

これが、まさに「高尾山モデル」の〈車いす体験〉の真髄の1つといえるのです。
なぜならば、メンバー同士に信頼関係が形成されることにより、小さな「地域のつながり」ができているといえます。
そして、学校で〈車いす体験〉学習が行われることにより、この小さな「地域でのつながり」が、学校の子どもたちにまで及ぶようになると考えられます。
つまり、「学校の近所に住むおじさん・おばさん」と「子どもたち」が〈車いす体験〉学習を通して肌でふれあい、心を通わせるようになると考えられるからです。
まさに「地域のつながり」です。

 

 

では、さらに、コース内の②と⑪の場所をピックアップしていきたいと思います。
そして、この図には記載がありませんが、⑥、⑦、⑧、⑨などの様子も取り上げていきたいと思います。

 

 

【②について】

 

下記の写真は、②のエリアで、階段を4人で降ろす場面です。
しかし、「生活行為」の要素を加えると、ただ単に降ろすことではなくなります。
まず、このような場面がある場所はどのようなところだろう?、と想定し、イメージしてみます。
そうすると、たとえば…どこかへ出掛ける途中の駅の階段かもしれません、あるいは、買い物へ出掛けた時のデパートの階段かもしれません。
そのような場面を想定し、イメージしながら、降ろしていきます。
とすると、4人が「黙って急に降ろす」という行動はとらなくなるでしょう。

 

 

ある人は…
まず、お声かけをするかもしれません。
次に、4人で車いすの適切な場所を手でしっかりつかむことでしょう。
そして、「いち、に、さん」と4人で息を合わせて、ゆっくり降ろしていく光景が浮かんだりします。

 

つまり、このエリアでは、「車いすに乗った方を階段から降ろすということ」は、「荷物を降ろすことではない」ということを感じていただけるのではないかなぁ…と考えられます。

 

 

そして、降ろすのは「車いす」なのではなく、降ろすのは、車いすに乗った「方(人間)」なのだ ということを感じていただける方がいらっしゃるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

【⑪について】

 

下記の写真は、⑪のエリアで、自走する場面です。
しかし、「生活行為」の要素を取り入れると、ただ単に自分で車いすに乗って走らせることではなくなります。

 

 

まず、このような場面がある場所はどのようなところだろう?、と想定し、イメージしてみます。
そうすると、たとえば…家を出て公園に行く途中の道路かもしれません、あるいは、買い物へ出掛けたあとの帰りの道路かもしれません。

 

そのような場面を想定し、イメージしながら、自走していきます。
とすると、前だけ向かって、安易に両手でハンドリムを回転させ、スピードを出して進む、という行動はとらなくなるでしょう。

 

 

 

ある人は…

 

まず、道路は平らでなく、少し傾斜している ということに気づくかもしれません。
次に、両手で同じ力でハンドリムを回転させると、まっすぐ進まない ということに気づくかもしれません。
さらに、道路にはマンホールなどの障害物がたくさんあって、気をつけて進まないと車いすのタイヤはまってしまって前進できなくなってしまう という状況が浮かんだりします。
つまり、このエリアでは、「日頃、何の問題もない道路が、日常生活で車いすに乗って出かけた場合には、多くの困難がある」ということを感じていただけるのではないかなぁ…と考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【⑥、⑦、⑧、⑨などの様子】

以下、ここでの詳細な説明は割愛させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5〈まとめ〉

 

以上のように、〈車いす体験〉は終了いたしました。

 

最後に、もう一度まとめてみると、以下のようにいえると考えられます。

 

 

1. 〈車いす体験〉学習に「生活行為」の要素を取り入れることで、より実践的な〈(臨床)車いす体験〉学習となっているということ。

2. 打ち合わせ段階から信頼関係を形成し、「地域のつながり」が実現しているということ。そして、このつながりが「やさしいまちづくり」につながっているということ。

 

 

このように、陵南中学校〈’17車いす体験〉を通して、私たちSmile Againの〈車いす体験〉が、とても特徴的なものであるということを知っていただけたら幸いです。

 

 

 

※現在、この車いす(20台)は、事前に連絡をすれば、レンタルをしてくれます。送迎もしてくれます。
今日も、ありがとうございました!

 

最後に、櫛田代表と山本さん、社会福協議会・PTAのスタッフのみなさん、おつかれさまでした!

 

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